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企業誘致/分譲推進へ促進条例改正
工場建設工事が進む市内の工業団地。市は条例を改正して企業誘致に力を入れる
【9】 企業誘致/分譲推進へ促進条例改正
 「福島は仙台や東京に近いことでかえって取り残されはしないか」。企業誘致の面で危機感を抱く福島の経済人は少なくない。
 会津や郡山地域で、地場企業と誘致企業が一体となって半導体や医療技術で産業の集積を図り地域経済活性化に取り組んでいることや、佐藤雄平知事が企業誘致の”営業本部長”としてトップセールスを展開していることが背景にある。「この波に乗り遅れるな」というのだ。
 企業誘致は、地方にとって単なる経済効果だけでなく、人口減少時代に新たな交流人口を生む施策の一つとなる。各自治体は、値下げや助成金を手厚くするなど工業団地への激しい誘致合戦を繰り広げている。
 福島市が企業誘致に乗り出したのは、1952(昭和27)年。用地取得助成金を中心とする優遇措置を盛り込んだ条例を制定。昭和30年代には福島北工業団地を造成、97年までに10カ所に工業団地を拡大した。
 本年度、より大型な分譲を推進するため、市企業立地促進条例を改正した。一・五ヘクタール以上の分譲の場合、用地取得費の助成を従来の30%から50%に拡充した。槙恵一工業振興課長は、「助成額は全国でもトップクラス。首都圏に近いということは、福島を拠点に企業活動ができるメリットがある。この地の利と電機や機械、食品など地元中小企業がバランスよく集積している福島の特徴をアピールしたい」と意気込む。
 福島商工会議所も本年度、企業誘致に向けた活動に本腰を入れる。首都圏の企業情報に詳しい地元企業や金融機関の代表による懇談会を立ち上げ、企業情報の収集や効果的な誘致策を検討、市に提言する考えだ。
 自らも企業誘致を担当した経験がある元市民部長の山田義夫同商議所専務は「経済界の持つ情報や人脈をもっと企業誘致活動に生かすべきだ」と”民活”の重要性を指摘する。
 行政は2、3年で異動するため、企業誘致のノウハウを得たころ担当が変わり、ネットワークが途絶えがちだという。加えて行政には、誘致企業に望む地元企業の要望も届きにくい。「経済団体と行政がスクラムを組んで企業を誘致し、地元企業と誘致企業が連携できるような枠組みがあるといい」と商議所の役割を模索する。
 市制百年目の今、地域の発展を見据えた長期的な誘致戦略が問われている。

 【メモ】  福島市の工業団地 福島西、佐倉西、松川工業団地など10カ所に誘致企業28社、地場企業36社が立地。現在、5工業団地の22ヘクタールが未分譲となっている。06年度は、首都圏からの誘致、市内から団地への移設など8社に2・2ヘクタールを分譲した。
 


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