【安寿と厨子王の母子像】 愛や絆の大切さ伝える

 
安寿と厨子王の物語を伝承する母子像

 いわき市金山町には、兄姉愛や親子の絆(きずな)の大切さを伝える物語「安寿(あんじゅ)と厨子王(ずしおう)」に登場する姉の安寿と弟の厨子王、2人の母の像(ぞう)があります。

 「安寿と厨子王」は約千年前の話です。安寿と厨子王、母の3人は旅の途中(とちゅう)で悪者にだまされ、生き別れになります。安寿は、厨子王を悪者のところから逃(に)がすために自らの命を犠牲(ぎせい)にします。逃げ延(の)びた厨子王は立派(りっぱ)成長し、母と再会(さいかい)するという内容(ないよう)です。

 この物語にまつわる伝承(でんしょう)は全国各地にありますが、金山町周辺にも「のめし沢(さわ)」「菖蒲(しょうぶ)沢」などゆかりの地名が多く残っています。

 金山地区では毎年、昔の旅人の姿(すがた)をした子どもらが地区内を練(ね)り歩く「安寿・厨子王祭り」が開かれています。「金山の昔を伝える会」の広木正行会長は「物語を伝え、人として大切なものを考えるきっかけにしていきたい」と話します。

 【どこで?】安寿(あんじゅ)と厨子王(ずしおう)の母子像(ぼしぞう) いわき市金山町朝日台の金山公園。母子像のほか、市内に残るゆかりの地の案内板も設置(せっち)されています。

みんゆうジュニア情報局