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漢字の世界8 四字熟語
【2006.1.24】
  粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)

努力して物事を成し遂げる

 米の一粒一粒(ひとつぶ)が、農民の苦労の結晶である、ということから、こつこつ努力して物事(ものごと)を成し遂(と)げる意に用いる。
 唐の李紳(りしん)の詩の句に基づく。短い詩なので紹介しておこう。

 農(のう)を憐(あわ)れむ 李紳

 禾(いね)を鋤(す)いて日午(ひご)に当(あた)る
 汗(あせ)は滴(したた)る禾下(かか)の土(つち)
 誰(たれ)か知(し)らん 盤中(ばんちゅう)の食(そん)
 粒粒皆辛苦(りゅうりゅうみなしんく)なるを

(稲の草取りをして、午時(ひるどき)になると、汗が土に滴り落ちる。皿に盛られた食べ物は、一粒一粒がみな農民の苦労のお蔭だと、誰が知る)

 この詩は、農民への同情という視点で詠(うた)われているが、四字熟語としては、努力を積み重ねて頑張る方向に用いる。「刻苦勉励(こくくべんれい)」などに近い。なお、李紳は白楽天(はくらくてん)とも親しい社会派詩人。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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