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漢字の世界 四字熟語
【2006.1.25】
  傍若無人(ぼうじゃくぶじん)

他人の目を意識しない行動

 「傍(かたわ)らに人無(ひとな)きが若(ごと)し」と読む。そばに人がいないかのように振る舞う、他人の目を意識せず、勝手な行動をする、ということだが、ボウジャクブジンと読んでこのまま日本語になっている。それほどよく使われるということだ。

 もとは『史記しき)』荊軻(けいか)列伝による。荊軻は燕(えん)の太子丹(たん)の頼みで、刺客(しかく)となって秦(しん)へ赴くが、結局、秦王(後の始皇帝(しこうてい))の暗殺に失敗する。

 その荊軻の人柄を物語る部分に、気の合った友人と市場で酒を飲み、大声で歌を唱(うた)い、感極まって泣き出したり、「傍若無人」であった、と。

 近ごろ、電車の中で手鏡をためつすがめつ眉(まゆ)を引いたり紅(べに)をつけたり、これを傍若無人とは、言い過ぎか。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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