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漢字の世界24

 

四字熟語
【2006.2.11】
抜山蓋世(ばつざんがいせい)

英雄の気概。意気盛んなこと

 「山を抜き世を蓋(おお)う」と読む。意気盛んなこと。英雄の気概をいう。

 漢の劉邦(りゅうほう)(高祖)に追い詰められた楚(そ)の項羽(こうう)は、覚悟を決めて宴を開き、次のような歌をうたう。

 力山(ちからやま)を抜(ぬ)き気世(きよ)を蓋(おお)う
 時利(ときり)あらず 騅逝(すいゆ)かず
 騅の逝かざる奈何(いかん)すべき
 虞(ぐ)や虞や若(なんじ)を奈何せん
(私の力は山をも抜き、意気は世を蓋うほどだったが、時に恵まれず、愛馬も進まない。愛馬が進まなければどうしようもない。虞美人よ、お前をどうしよう)

 健気(けなげ)にもここまでついてきた虞美人に、どうしてやることもできない。項羽がこの歌をうたうと、虞美人は剣舞をし、その剣で首を突く。血は流れて「虞美人草(ぐびじんそう)」(ひなげし)を生じた、と。英雄涙ありの物語。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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