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漢字の世界25

 

四字熟語
【2006.2.14】
巻土重来(けんどちょうらい)

一度失敗しても盛り返す

 「土(つち)を巻(ま)いて重(かさ)ねて来(き)たる」と読む。巻は、捲とも書く。一度失敗したものが、力を蓄えて盛り返すこと。

 楚(そ)の項羽(こうう)は垓下(がいか)の囲みを破り、わずかの手勢で南へ脱出、長江の渡しまで来ると、舟が用意されている。「向こう岸は楚の国ですから、どうぞ早く」と勧められたが、項羽は断る。国の人に合わす顔がない、と。

 結局、項羽はこの地で自刃して果てる。時に31歳。

 これに対し、唐の詩人杜牧(とぼく)は、「巻土重来未(いま)だ知るべからず」と詠(うた)う。向こう岸の楚の若者は優れているのだから、もう一度巻き返せば、まだどうなったかわからない、というのだ。

 人生、いろいろ失敗もあろうが、巻土重来が大切。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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