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漢字の世界118

 

 

四字熟語
【2006.06.05】
窮鼠噛猫(きゅうそねこをかむ)

弱い者でも強い者に勝つ


 十二支のつく語を選んでみよう。まず鼠(ねずみ)(子(し))から。

 追いつめられた鼠(窮鼠)が猫にかみつく。逃げ路(みち)のない時は、弱い者でも強い者に勝つことのたとえ。

 普通、「かえって」という副詞をつけ、「きゅうそかえって ねこをかむ」と七五調に調子よく言う。

 実は、この語の基づく典故は、猫ではなく狸(たぬき)である。『塩鉄論(えんてつろん)』(漢代の政治を論ずる書)に、「窮鼠齧狸」(窮鼠狸を齧(か)む)とある。猫の方が鼠を捕るのでふさわしいと、狸に代わったのだろう。

 なお、「噛」は音ゴウ、またはコウ。「齧」は音ゲツ。どちらも「かむ」の意。

 上司が部下をきつく問い詰めたりすると、部下から思わぬ反撃をくうことがある。お説教もほどほどに。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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