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漢字の世界294

 

四字熟語
【2007.1.3】
藍尾の酒(らんびのさけ)

最年長者が屠蘇を飲む

 一座の中で最後に飲む酒。正月に、家族の最年長者が最後に屠蘇とそを飲むこと。

 藍尾は「婪らん尾」とも書く。座中にあまねく酒をつぐことをいう。「藍」には、むさぼるという意味がある。

 白楽天にこのことを詠うたった詩があるので紹介しよう。八句の詩の前半の部分。

 白鬚しゅ雪の如ごとし五朝ちょうの臣
 又値またあう新正しんせい第七旬じゅん
 老い過ぎて占む藍尾の酒

 病余収め得たり到頭とうとうの身(雪のように白い鬚ひげの五朝に仕える臣。今日は七十回目の元旦を迎えた。長老として屠蘇の杯は最後に傾け、病が癒いえて晩年の身を保ち得た)

 七十まで生きるのは珍しい時代、一族の長老としてゆったりと最後に屠蘇を飲んで元旦を祝う。白楽天の喜びが伝わってくる。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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