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漢字の世界297

 

四字熟語
【2007.1.6】
暖衣飽食(だんいほうしょく)

生活に不自由のない様子

 暖かい着物を着、腹いっぱい食べる。生活に不自由のないさま。満ち足りた生活、さらにはぜいたくな暮らし、という意味にもなる。

 暖衣は、煖衣とも書く。着物を十分に着て暖かく過ごすこと。飽食は、食に飽(あ)く、すなわち腹いっぱい食べる。

 この語は『荀子(じゅんし)』に「長生久視」(不老長生と同じ、278回)とともに庶民の願望として説かれている。

 「暖衣飽食」の反対が「悪衣悪食」(粗末な着物を着、粗末な食物を食べる)だ。孔子は「士道(みち)に志して悪衣悪食を恥ずる者は、未(いま)だ与(とも)に議するに足らず」(道を学ぼうとする者が悪衣悪食を恥じるようでは、その者とともに語れない)と突き放している。

 ヌクヌクと腹いっぱい食べるのは駄目ということ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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