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漢字の世界340

 

【2007.2.27】
告朔〓羊(こくさくのきよう)

実体のない虚礼

 実体のない虚礼。また、虚礼ではあるが、よき伝統として守るべきもの、という意味もある。

 『論語』に見える言葉。「朔」は、1日(ついたち)。「〓羊」は、いけにえの羊。

 孔子のころ、周の朝廷から月の1日に暦を受けることは廃止されていたが、受ける儀式だけは残っていた。

 弟子の子貢(しこう)が、いっそ儀式をやめましょう、と言うと孔子は「賜(し)や、爾(なんじ)は其(そ)の羊を愛(おし)む、我は其の礼を愛む」(賜〈子貢の名〉よ、お前は羊を惜しむが、私は礼を惜しむのだ)と言った。

 当時、羊は貴重だったから、子貢はむだと思ったが、羊一頭のことで伝統ある儀式(礼)をやめてはいけないというのが孔子の考えだ。

 虚礼に見えるものにも意味があることを教える話。

(〓は”食”と”氣”の合わせ文字)

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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