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漢字の世界355

 

【2007.3.17】
浅酌低唱(せんしゃくていしょう)

ほどよく酒を楽しむさま

 静かに酒を飲み、小声で唱(うた)う。ほどよく酒を楽しむさま。「杯盤狼籍(はいばんろうぜき)」(175回)や「放(ほう)歌(か)高吟(こうぎん)」(255回)とは正反対の言葉。「浅斟(しん)低唱」(斟は酌と同じ。くむ)ともいう。

 「浅酌」は、白楽天の詩に見える。

 玉杯浅酌 巡(じゅん)初めて匝(めぐ)り 金管徐(おもむろ)に吹き 曲は未(いま)だ終わらず
(杯に軽く酌んで、座が一わたり飲み終わり、笛の調べはまだ続いている)

 太湖に舟を浮かべての風雅な酒宴の様子を詠(うた)う。

 「浅斟」は、陸游(りくゆう)の詩に、 又隣翁を喚(よ)び共に浅斟 (隣家のおやじといっしょに軽く一杯やろう)

と、田舎暮らしの様子。

 「低唱」は低い声で唱う。静かな節廻(ふしまわ)し。いずれにせよ、風流な飲み方だ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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