minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界359

 

【2007.3.22】
宋襄之仁(そうじょうのじん)

つまらぬ情けをかける

 つまらぬ情けをかけること。無駄な同情、愚かな思いやりの喩たとえ。

 『春秋左氏(さし)伝』に見える話。宋(河南省にあった国)の襄(じょう)公は天下に覇(は)を唱えようとして楚(そ)と戦った。その時、楚の陣形がまだ整わないうちに川を渡って攻めるべし、との参謀の進言を、「君子は他人の困っているのにつけこまないものだ」と退け、結局宋は楚に負けてしまった。

 このことから、つまらない思いやりを「宋襄の仁」と嘲(あざけ)って言うようになった。「仁」は、情け、思いやりの意。古(いにしえ)の仁者を気取って馬鹿をみた話。

 スポーツなどでは、相手が怪我(けが)をしているところは攻めないのが美徳としてたたえられる。しかし、生きるか死ぬかの場合には却かえって笑われる。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN