minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界252

 

【2006.11.13】
散髪箕踞(さんぱつききょ)

自由に生きる隠者の様子

 ざんばら髪をし、足を投げ出して座る。隠者のさま。

 「散髪」は、冠をかぶらず髪をざんばらにする。床屋の意味ではない。そちらの方は「理髪」という。冠をかぶらないとは、仕官しないこと、つまり隠者の姿である。『後漢書(ごかんじょ)』袁広(えんこう)の伝記に「広は散髪して世と絶ち、迹(あと)を深林に投ず」(世間から離れて深林に身を隠す)と見える。

 「箕踞」は、農具の箕(み)のような形に足を投げ出すこと。礼儀に外れた座り方。「箕坐(きざ)」ともいう。

 王維(おうい)の詩に「科頭(かとう)箕踞す長松の下、白眼(はくがん)にて他(か)の世上の人を看る」(松の下でざんばら髪、足を投げ出し、世の中の人を白眼(しろめ)で見る)と。科頭は散髪と同じ。世間の礼儀などにとらわれない自由な生き方を詠(うた)った。 


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN