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漢字の世界270

 

【2006.12.04】
松柏後凋(しょうはくごちょう)

人の真価は困難時に分かる

 気候が寒くなってから、初めて松柏が葉を落とさないでいるのが分かる。人の真価は困難に出合った時に初めて分かることの喩(たとえ)。

 『論語』に見える孔子の言葉から出た。「歳(とし)寒くして然(しか)る後(のち)松柏の凋(しぼ)むに後(おく)るるを知るなり」とある。柏はかしわではない。松と同じく常緑樹のひのきの一種(このてがしわ)である。凋は、彫とも書く。枯れ落ちること。

 「後凋」(凋むに後る)とは、遅れて凋むというのではない。なべての木々が凋んだ(枯れ落ちた)あとに、松柏は凋まないで残っているという意味である。

 木々が葉を落としている中に、青々とした松柏がスックと立っている姿は、混乱した世に節操(みさお)を曲げない人物の姿だ。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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