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漢字の世界278

 

【2006.12.14】
不老長寿(ふろうちょうじゅ)

永遠に年とらず長生き

 いつまでも年を取らず長生きをする。

 人間の永遠の願望といってよい。ただ、四字熟語としてはこの言葉は古典に見えない。

 やはり長寿を意味する「不老不死(ふし)」の語は『列子』に見える。「金玉珠干(きんぎょくしゅがん)の樹、皆叢生(そうせい)す、花実皆滋味(じみ)有り、之(これ)を食(くら)えば皆不老不死(老いず死なず)」とある。

 金玉珠干は、美しいたま。玉の木が叢(むらが)り生えていて、その実はおいしく、それを食べると不老不死(いつまでも長生き)になると。

 似た意味では『老子』に「長生久視(きゅうし)」の語が見える。久は、久しい(長い)。視は、「視息(しそく)」(目で〈み〉、鼻でをする、つまり生きる)ということ。

 不老、不死、久視、長寿、長命、みな長生きの語だ。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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