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漢字の世界281

 

【2006.12.18】
依怙贔屓(えこひいき)

特定の者に肩入れする

 特定の者に肩入れする。決まった者に目をかける。

 「依怙」は、イコとも読むが、この言葉は『法華経』など仏典によく用いられ、仏典の常として呉音(ごおん)(早く伝わった中国南方音)でエコと読む。依も怙も「たよる」という意味である。

 「贔屓」は「贔贔」とも書く。もとは、大きな亀の意で、昔の中国の墓碑などの大きな石を背に載せた亀石をいう。それから、力を用いる、努めるの意を生じ、さらに転じて、引き立てる、目をかける意となった。

 贔屓(ヒキ)をヒイキと読むのは詩歌(シカ)をシイカと読むのと同じ慣用読みである。贔も屓もそれぞれ一字では用いず、二字連ねて用いる。

 「贔屓の引き倒し」という言葉がある。肩入れしたのが却(かえ)って仇(あだ)になることだ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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