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漢字の世界288

 

【2006.12.26】
狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)

決心がつかずためらう

 決心がつかずためらう。ぐずぐず尻ごみする。

 「狐疑」は『楚辞』に出てくる言葉。「心猶予(ぐずぐず)して狐疑す」とあり、その説明に、狐(きつね)は疑い深く凍った川を渡るとき、下の水の音を探りながら渡るという。そのことから、疑い深いことを「狐疑」と言うようになった、と。

 「逡巡」は、後ずさりする。尻ごみする。『列子』に「危石を履(ふ)み、百仭(じん)の淵に臨み、背(うしろ)に逡巡す」(突き出た岩を踏み、深い淵を見下ろし、後ずさりした)という用例がある。

 この例では、怖がる意味がまつわっているが、「狐疑逡巡」となると、怖がる意味はなく、疑い深くためらうことをいう。詐欺の電話など、狐疑逡巡した方がよい場合もある。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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