【編集日記】(9月13日付)

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 中通りに避難してから好きな魚が食べられないと浜通りの被災者が嘆く。浜通りでは庶民の食卓に欠かせないのに、阿武隈山地を越えると、道から外れたのか、食文化から消えてしまう魚がいる

 ▼浜と中、中と会津を結ぶ道路を「肋骨(ろっこつ)道路」と呼んだりする。背骨の幹線と直角に交わるあばら骨。昔から塩や干物などの生活物資が人や馬の背に揺られて行き来した。阿武隈越えの道を今、一時帰宅の被災者や復興事業の作業員が行き交う

 ▼行政用語では「ラダー(はしご)型」道路という難解な言葉もある。2本の幹線道路を何本かの短い道路で結ぶ形を言うのだが、肋骨道路の方が実態も雰囲気もよく伝わる。あばら骨は外からの刺激で折れやすく、折れれば激痛が走る

 ▼その肋骨道路が記録的大雨で何本も折れた。迂回(うかい)路はあっても、阿武隈山地では国道288号の負担が増すはず。バイパスの整備が着々と進む重点道路だが、大型ダンプ同士が山あいの難所でお見合いする場面に出くわすと、予算には限界があることを痛感する

 ▼除染で出た汚染土壌などを中間貯蔵施設へ運ぶにも、肋骨道路は欠かせない。何よりも避難区域に住民が帰る日に希望の道になれるよう、早期再生を願う。