【編集日記】(9月23日付)

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 街を歩けばどこからかキンモクセイの甘い香りが漂う。郊外に車を走らせると黄金色に染め上げられた水田と、白い花が広がるソバ畑とのコントラストも目立つようになってきた

 ▼休耕田の利用促進を目的としてソバが栽培されるようになって久しい。山あいの白いじゅうたんと、色づき始めた周囲の木々との対比もいいが、稲穂との取り合わせも古里の秋景色としてすっかり定着したようだ

 ▼うどんが主流だった江戸時代の初期。そばは菓子屋が餅などと一緒に売っていた。製麺のつなぎに小麦粉が用いられるようになるとそばが打ちやすくなり、銚子や野田の濃い口醤油(しょうゆ)が出回ると、つゆの味も向上。江戸っ子はそば党にくら替えした(「江戸の人々の暮らし大全」河出書房新社)

 ▼収穫を待つばかりのソバ畑の景色がいつもと変わってしまったところもある。関東・東北豪雨は県内にも大きな被害をもたらし、冠水したり、土砂が流入した水田やソバ畑もある。被害が最小限にとどまればいい

 ▼きょうは「秋分の日」。これからは夜が長くなる。秋色も増してくるだろう。各地ではさまざまなそば祭りが始まる。香り、のどごしに加え、それぞれの古里の景色が極上の味を引き立てる。