【編集日記】(9月25日付)

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 国民的な関心事となったSTAP細胞騒動。論文の共著者チャールズ・バカンティ教授が所属する米ハーバード大などの研究チームが、細胞作製を試みたが、できなかったという

 ▼合計133回も試みたが全て失敗に終わった。研究報告を載せた英科学誌ネイチャーが「多くの研究者が参加した結果、再現できないことが分かった」とのコメントも。存在はあらためて否定されたことになった

 ▼世界の科学史には多くの捏造(ねつぞう)事件があるがそれを根絶することはできない、と博士(理学)の小谷太郎さんは「科学者はなぜウソをつくのか 捏造と撤回の科学史」に書く。自由に研究を行い、発表できるという環境だからこそ捏造や誇張誤(ご)謬(びゅう)も紛れ込むのだという

 ▼だが、捏造は根絶することができないものの必ず発覚するともいう。捏造された研究成果は自然科学の法則に反するため、遅かれ早かれ否定される。つまり科学は異物を排除する免疫機能も備えていることになる

 ▼ウソをついても必ずばれるというわけ。子どものころに聞かされた教えが科学の世界では生きている。誰でもが自由に参加できる世界だからこその免疫機能といえる。それが未知の扉を開く科学の力ともなるのだろう。