【編集日記】(10月2日付)

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 ゴリラには、群れの仲間の中では序列をつくらないという特徴があるそうだ。ケンカをしても誰かが勝って誰かが負けるという状態にはならないという

 ▼じっと見つめ合って和解する道を選ぶ。ゴリラの社会には勝ち負けという概念がない。これに対して多くのサル社会は正反対。純然たる序列社会で強い者は常に強い。いさかいが起きれば大勢が強い者に加勢して弱い者をやっつけてしまう

 ▼ゴリラ研究の第一人者で京都大学総長・山極寿一(やまぎわじゅいち)さんの著書「『サル化』する人間社会」にある。人間の現代社会はゴリラとサルのどちらの部分も備えるが、加速度的に"サル社会化"が進んでいる、と指摘する

 ▼競争社会と言われるようになって久しい。仕事にしても数字や目標に追われる毎日。生きづらい世の中と感じている人もいよう。インターネットや携帯電話による通信革命も人間関係の在り方を大きく変えている

 ▼山極さんの研究は人類起源というはるかな過去から今の在り方を見つめることにある。私たちにとってそんな専門的な試みは難しいかもしれないが、経験したのに忘れてしまったような少し前の時代にさかのぼって今という時代を見つめてみることはできるかもしれない。