【編集日記】(10月7日付)

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 生物を見た目で分けると動物、植物、微生物の三つになるという。人類が微生物の存在を確信するようになったのは17世紀以降だ。顕微鏡の発明による

 ▼オランダの科学者、レーウェンフックは"微生物世界の最初の探検家"とされる。自家製の顕微鏡を使って湖水中を動き回る生物を見つけ、これを「微小な動物」と名付けた(「環境と微生物の事典」朝倉書店)

 ▼今年のノーベル医学生理学賞に決まった北里大特別栄誉教授の大村智さんはアフリカなどの熱帯感染症の特効薬を土壌の微生物から見つけ出した。この発見によって多くの人々が寄生虫から救われることになった

 ▼大村さんは「世のため人のためになる研究を」と言い続けてきた。県民にとっては黄熱病研究のため周囲の反対を押し切ってガーナに渡り、その地に命を捧(ささ)げた細菌学者、野口英世の姿が重なる。英世もノーベル賞候補に挙げられたという

 ▼大村さんは「微生物の力を借りているだけ。私が賞をもらっていいものか」と謙虚に喜びを語る。微生物の多様性は動物や植物をはるかに上回る。人間をはじめ動植物が生きていくには欠かせないそうだ。私たちの足元に広がる未知の世界をあらためて気付かせてくれる。