【編集日記】(10月9日付)

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 終戦直後の1945(昭和20)年8月28日、任命されたばかりの元陸軍大将東(ひがし)久(く)邇(に)宮(のみや)稔(なる)彦(ひこ)首相が記者会見に臨み、とつとつと敗戦について語ったという

 ▼「このさい私は軍官民、国民全体が徹底的に反省し懺悔(ざんげ)しなければならぬと思う。一億総懺悔することがわが国再建の第一歩でありわが国内団結の第一歩と信ずる」と。半藤一利さんの「21世紀への伝言」にある

 ▼"一億総懺悔"の言葉に半藤さんは「戦時中の"一億一心"を裏返しにしたもの。戦争指導者の責任は国民全体の責任へと転嫁され雲散霧消した」と書いている。言葉で一つの方向性へ誘導されていく。"一億"にはそんな気味悪さもある

 ▼同じ"一億"でもこちらは「1億総活躍社会」という。安倍晋三首相が第3次安倍改造内閣の発足に当たって掲げた言葉だ。「一人一人の国民が家庭、職場、地域で活躍できる社会をつくる」とする。言葉にそんな社会の実現を込めている

 ▼だが安倍首相は「内閣の総力を挙げて進める」と言明したものの、それをどう具体的に実現していくかとなると、中身ははっきりとしていない。当然ながら大震災と原発事故からの復興が大前提となるだろう。目標に向かって進むべきは内閣だ。