【編集日記】(10月15日付)

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 福沢諭吉は1862(文久2)年、幕府の遣欧使節団の一員としてロンドン万博を視察した。その様子を「西洋事情」に記している。「相教へ相学ぶの趣意にて、互に他の所長を取て己の利となす。之を譬(たと)へば智力工夫の交易を行ふが如(ごと)し」

 ▼当時の日本は開国したばかり。国境を超えて開かれるイベントに、諭吉は大きな感銘を受けただろう。万博はかつて先端技術・商品の展示、国威発揚が主な目的だったが、近年は地球規模の課題とその解決を考える場となってきた

 ▼現在、イタリア・ミラノで開かれている万博のテーマは「食」。各国の食文化の魅力を紹介するとともに飢餓や肥満、安定的な食料供給、食の安全などについて世界にメッセージを発信している

 ▼同万博で、本県の多彩な食や、復興の現状を伝える「ふくしまウイーク」が開かれた。県産の日本酒やモモなどが振る舞われた会場は、5時間待ちの列ができるほどの盛況だったという。食材を通し、本県ファンになった来場者もいただろう

 ▼一方、原発事故への不安から、本県への旅行に消極的な声も聞かれた。5月から始まったミラノ万博も今月末まで。本県の正しい状況を広く伝えることが、相互理解へとつながる。