【編集日記】(10月17日付)

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 郡山発展の礎となった明治時代の「安積開拓」は郡山に入植した全国の9藩士族の献身的な努力で成し遂げられた。各藩士族の子孫らが先人の功績を顕彰する安積野開拓顕彰会は今年、創立40周年を迎えた

 ▼顕彰会の40周年記念誌は困難を乗り越え、開拓に打ち込んだ各藩士族の偉業を伝える。土佐藩士族らは1880(明治13)年、現在の郡山市逢瀬町などに106戸が入植。広大な原野を開墾し、繁栄をもたらした

 ▼同じ土佐出身である岩崎弥太郎が江戸に上って、郡山出身の儒学者・安積艮斎(ごんさい)の門人となったのは160年前。幕末の激動期、安積艮斎に師事した岩崎弥太郎は、後に三菱グループ創始者となり、日本経済の発展に貢献した

 ▼「三菱商事復興支援財団」が、郡山市に県産果物を使ったワインやリキュールの醸造所を建設中だ。農家を支援し、果物生産から加工、販売を手掛ける新たな6次化産業モデルの実現を図る。今秋開業を目指しており、地元の期待も膨らむ

 ▼幕末の安積艮斎と岩崎弥太郎、安積開拓の郡山と土佐を結ぶ絆に思いをはせると、歴史の奥深さを感じる。土佐藩士族が開拓した郡山の地で、今度は農業や地域再生の一翼を担う醸造所が新たな歴史を紡ぐ。