【編集日記】(10月21日付)

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 平野部に広がる水田地帯、あるいは都市の郊外や里地・里山と言われる景観のなかで営まれている小規模な水田にも、刈り取られた後の稲の株が幾筋もの縞(しま)模様を描き出している

 ▼新米の季節だ。知り合いの農家や知人などから頂くことがある。産地や品種が異なれば、味比べも楽しみだが、近年は新品種の誕生が全国で相次ぐようになっている。従来のブランド米に集中していた人気と評価は分散化傾向にあるようだ

 ▼品種の名もさまざまだが今の大半の水稲品種は明治から大正時代にかけ宮城県で栽培された「愛国」、山形県で見いだされた「亀ノ尾」などが土台という(守田志郎「農業にとって進歩とは」)。それらは農家の人たち自身が作った品種だ

 ▼稲作が日本列島に伝えられて以来、先人たちは少しでも味の良いコメ、寒さに強い稲を求めてきた。そんな思いで見つけた稲穂を大事にしながら新しい品種に結び付けてきたのだという

 ▼環太平洋連携協定(TPP)関税交渉の大筋合意でコメ農家をはじめとする農業も輸入農産物との激しい競争にさらされることになる。先人たちの知恵と工夫が息づく日本の農業。消費者一人一人もその将来を考えていかなければならない時だ。