【編集日記】(10月27日付)

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 江戸時代、日本の識字率は世界最高水準だった。庶民が寺子屋で読み書きを学んでいたためで、読書への欲求も高かった。しかし、当時の本は発行部数が少なく高価。滝沢馬琴など人気のある作家の本は、いまの値段で1万円以上もしたという

 ▼そのため都市部で貸本屋が増えたほか、地方では蔵書を多数持つ豪農が本を貸し出すようになった。図書館の役割を果たす施設が、すでにこの時代に誕生していたことを歴史学者の青木美智男氏(棚倉町出身)の著書から学んだ

 ▼好きな本を無期限で、何冊でも借りることができる図書館を県内各地に設置しようという試み「ふくしま本の森プロジェクト」が始まった。各地の公共施設や商店、個人宅などに図書のコーナーを設け、復興支援で寄せられた本を貸し出す

 ▼日常に本のある暮らしを広げるための取り組みだ。先月末に会津坂下町に拠点施設が完成、本の貸し出しが始まった。本を気軽に楽しめる場をさらに増やしていきたい

 ▼最近はインターネットで本を購入する人が増えた。しかし書店や図書館をのぞけば、人生を変えるような一冊と偶然出会うこともある。きょうから来月9日まで「読書週間」。本の森へと、奥深く分け入ろう。