【編集日記】(10月31日付)

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 第1回は、1954(昭和29)年だった。電気冷蔵庫や洗濯機が家庭に普及し始めた時代、車は庶民には手の届かないぜいたく品だったが、大勢の人々が会場に詰め掛けた

 ▼きのうから東京モーターショーの一般公開が始まった。近年は隔年での開催のため、今回が60周年の位置付けとなる。第1回当時は車で訪れる人が少なく、駐車場には自転車が並んだという話も時代を感じさせる

 ▼自動車会社が「還暦」を意識したわけではないだろうが、内容は節目の年にふさわしく骨太といえる。燃料電池車や電気自動車など環境性能に加え、自動運転や安全技術に関する展示が勢ぞろいした

 ▼交通事故の9割は人間の認知・判断・操作ミスが原因とされる。高齢運転者によるブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故や高速道路の逆走も社会問題になっている。一方、本県など地方ではマイカーが大切な交通手段だ

 ▼技術は急速に進歩しており、自動運転の技術もいずれは確立されるだろう。法律など技術以外の課題も多いが、地方での暮らしや超高齢社会を支える大きな力になる可能性を考えれば、乗り越えていかなければならない。文字通り、「自ら動く車」に出会える日を心待ちにしたい。