【編集日記】(11月1日付)

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 野口英世の母シカが、米国にいる英世に宛てた手紙は小欄でも折に触れて取り上げてきた。帰郷を切望する文面は何度読み返しても胸に迫るものがある

 ▼シカは幼い頃に習った文字を懸命に思い出しながら練習した。「おまイの。しせ(出世)にわ。みなたまけ(驚き)ました...はやくきてくたされ。はやくきてくたされ」。たどたどしい文面からは切なる願いが伝わる。思いを文字に託すとはこういうことなのだろう

 ▼2016(平成28)年用の年賀はがきの販売が始まっている。新年の風物詩の一つでもある年賀状も電子メールなどに押されてやりとりは年々減っている。16年用は15年用よりも発行枚数が約2億枚少なくなった

 ▼日本郵便は年賀状離れに歯止めをかけるため、お年玉くじの1等賞品を前年の現金1万円から10万円に引き上げている。このほかにはがきに登場するキャラクターを充実させ、パソコンなどの専用サイト、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った年賀状作成サービスも強化したという

 ▼メールやパソコンなら簡単。なんといっても文字がきれい。だが手書きには書き手の思いがこもる。生来の悪筆の自分に、こう言い聞かせる季節がまたやってきた。