【編集日記】(11月5日付)

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 脚本家の倉本聰さんは「役者の良しあしは、セリフをしゃべっている時ではなく、相手のセリフを如何(いか)によく聞いているか、にかかっている。しゃべる以前に聞くがある。それをしないものは三流である」と近著で述べている

 ▼国会中継で、登壇者の意見を聞いていない議員がたびたび見受けられることに対し、役者の例を挙げて苦言を呈したものだ。倉本さんは、聞く態度からその議員が信頼できるか、できないかという人間性が垣間見える、と持論を展開する

 ▼政治家は自らの政策を訴え、それを実行することが使命だ。ただ、その政策は有権者の声を反映したものでなければならない。「聞く耳」を持つことも政治家としての大切な資質だろう

 ▼きょう県議選が告示され、選挙戦に入る。東日本大震災と原発事故から5年目のいま、県民の置かれている状況は複雑、多様化している。県民の声に真摯(しんし)に耳を傾けなければ復興への絵姿は描けない

 ▼「信なくば立たず」という孔子の言葉がある。政治を行う上で最も重要なのは信頼だという意味だ。倉本さんは、この「信」の字は「芯」にも言い換えられるとする。候補者は、芯が通った政策論争を繰り広げて、県民に信を問うてほしい。