【編集日記】(11月8日付)

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 どんな強者といえども完璧ではない。そんな例えでもあるだろう。ドイツの英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する王子ジークフリートがそうだ

▼退治した竜の傷口から流れ出た血を浴びて不死身となった。だが肩に1枚の菩提(ぼだい)樹の葉が落ち、そこだけが血を浴びずに急所となった。ギリシャ神話でも剛勇無比のアキレウスが弱点のかかとを矢で射られている

▼人は並外れた力を持っている存在にも弱点を見いだしてきた。日本には「弁慶の泣きどころ」がある。私たちにとってもそこは弱点だが怪力の弁慶の名を冠したことにも通じていよう。弱さがあるからこそ謙虚になれる。これらの例からそんな教えも導けるだろうか

▼国会は自民党の"1強多弱"だが、野党側が求めていた臨時国会の召集は見送られる方向だという。安倍首相の外交日程が立て込んでいることが理由だ。現憲法下で通常国会だけで終えた年はなく、今回召集されなければ極めて異例となる

▼環太平洋連携協定(TPP)の農林水産分野などへの影響が気になる。大幅合意を踏まえた審議だけでなく、内閣改造による新任閣僚の所信をただす必要もある。国会で追及されては困る"泣きどころ"でもあるのか。