【編集日記】(11月12日付)

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 南極の昭和基地内に巨大なドームに覆われた直径11メートルのパラボラアンテナがある。第30次南極観測隊が、1989年に建設した。現在も稼働しており、人工衛星からデータを受信して、オーロラのメカニズム解析などに役立てている

 ▼同隊の隊長を務めたのはスペースシャトルの開発などに携わった物理学者で、オーロラ研究の第一人者の江尻全機(えじりまさき)さん(いわき市出身)だ。以前、アンテナ建設当時の話を聞いた

 ▼厳しい自然環境に耐えられるシステムを夏期1カ月で建設しなければならず、国内外から「無謀だ」との声も上がったという。それでも挑戦したのは「神の領域だと思っていたオーロラを科学的に究明したいという好奇心があったからこそ」という

 ▼その神秘性ゆえにオーロラは好奇心を刺激するのだろう。郡山市で先日行われた国際宇宙ステーションと交信するイベントでも、市内の中学生が宇宙飛行士の油井亀美也(きみや)さんに、宇宙からのオーロラの見え方について質問していた

 ▼江尻さんによると、オーロラの研究は、地球周辺の宇宙環境を知るための手掛かりになるという。徐々に研究は進んでいるが、謎はまだ多い。子どもたちの好奇心が生かされる場は、たくさんある。