【編集日記】(11月13日付)

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 「寛政の改革」で知られる松平定信だが、人事登用を阻む状況を改善するために多くの法令を出した。将軍直属の家臣の"就職"でも頭を痛めたらしい

 ▼旗本・御家人と呼ばれた人々の就職難だ。それらはおのおのの能力に応じて出世していったが、出世の糸口となる就職の枠は彼らの人数よりも少なかった。そのため日頃から職に就けない旗本・御家人が存在した

 ▼就職難の顕在化は5代綱吉、6代家宣、8代吉宗の時。彼らは将軍に就くと藩主時代の家臣団を旗本・御家人として編入した。幕臣の数は増えたが、それに見合う就職口は設けられなかったからだ(山本英貴「旗本・御家人の就職事情」)

 ▼就職事情にも時代が反映される。今、大学生の就職活動をめぐるルールが揺れ動く。今年から新しい日程を導入したが、また変更される。2年連続の見直しという異例の事態。企業、学生の双方から不満が高まる

 ▼江戸幕府においてはその時々の政治や社会状況に左右されたものの、有能な者を引き上げる仕組みは維持されたという。意欲ある学生と人材を求める企業の双方が納得できるようなルール作りが求められる。でなければ、双方にとっても社会にとっても大きな損失となる。