【編集日記】(11月14日付)

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 Jヴィレッジ玄関ホールに張られた一枚のポスター。ちりばめられた写真の中で男たちが働く。東京電力福島第1原発で廃炉作業の最前線に立つ人たちだ

 ▼昼夜を問わず行われている各種作業の瞬間をカメラマンが追った。全面マスクで隠れているが真剣で引き締まった表情は想像できる。作業員たちの技術者としての「誇り」を少しでも紹介しようというのがポスターの狙いという

 ▼取材で2年半ぶりに廃炉の現場に立った。1年ぶり、半年ぶりに入った同僚記者らと一致した見解は「変わった」だ。汚染水タンク群は新しくなり、雑然さばかりが目立っていた構内は線量が下がって、落ち着きが戻ってきた

 ▼何にも増して、作業員らの顔つきが変わった。構内で働く協力企業の人たちは一日約7千人。その半数は県民だ。高所クレーンを遠隔操作してがれきを取り除く。配管の網の目を縫って新たな管を通す。それらの技を支えるのがプロとしての誇りだ

 ▼線量が極めて高いエリアは四つの建屋と周辺に絞られつつある。汚染水対策は一つの山を越えたが、遅れていた廃炉調査が本格化するのはこれからだ。郷土の復興をかけ過酷な任務に就く作業員の姿も心にとどめておきたいと思う。