【編集日記】(11月17日付)

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 人は一人一人違うと分かっているはずなのに「高齢者」などと集団を指す言葉を使うとき、何となく均質な集団として捉えていないだろうか。世界保健機関(WHO)が「高齢化と健康に関する報告書」で問題を提起している

 ▼報告書は「典型的な高齢者など存在しない」との表現で、高齢者の体や心の状態がいかに多様で個人差があるかを強調。一方で高齢者の社会に対する貢献は、医療や介護にかかるコストを大幅に上回るとの研究を紹介する

 ▼その上で、高齢者がその多様さに応じた貢献ができるような社会づくりを―と各国に求めている。これは高齢者を「集団」と捉えていてはできないことで、「個」の実情を踏まえた政策をどう作るかが鍵となる

 ▼日本は世界最速で高齢化が進み、高齢者の社会への貢献を増やすことを多くが望んでいる。しかし、この国には学校にせよ会社にせよ、全員が同じような行動を取る集団であることを前提につくられた組織が相当に多い

 ▼安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」はどうか。「1億」も「総」もあまりに巨大で均質な集団の響きがある。「個」を大切に、それぞれが輝くという発想にならなければ「1億総活躍」実現への道のりは遠い。