【11月26日付編集日記】ふくしまの塔50年

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 「むせび哭(な)く み魂(たま)の声か この丘に かすかにひびく 遠き海鳴り」。沖縄本島の最南端、摩文仁(まぶに)の丘に立つ「ふくしまの塔」に刻まれた歌だ。塔には、先の大戦で命を落とした本県出身者をまつっている

 ▼塔は、福島民友新聞社が1965(昭和40)年元日の社告で建立を提唱。呼び掛けに賛同した県民から多くの寄付が寄せられ、建立の機運が盛り上がった。当時の県知事を会長とする建設期成同盟会が発足し、建立が組織的に進められた

 ▼本県のシンボル磐梯山を模した塔は、高さ4メートルで横3.7メートル。小野町産の御影石を材料に用い、同町内で加工後に海上輸送して現地で組み立てた。翌66年10月26日、本県から慰霊団200人が参列して除幕式が行われた

 ▼沖縄戦では民間人も含め20万人以上が犠牲となり、本県出身者も約千人が命を失った。県内では郡山と原町、矢吹の各飛行場から多くの特攻兵が飛び立ち、海上に散っていった。沖縄に立つ塔は、遺族たちの心のよりどころでもある

 ▼県遺族会はきょう、塔の建設50周年を記念する式典を現地で開く。終戦から70年を経た今も、世界では紛争やテロが続く。どうすれば平和な世界が実現するのか。英霊たちの声に耳を澄ます。