【11月29日付編集日記】知恵を生かす

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 歴史物語「大鏡」は夏山繁樹、大宅世継らの昔語りを聞くという設定だ。同じ「今鏡」でも老女が登場、さらに「増鏡」でも老尼が遠い過去を語り出す

 ▼どの語り手も百歳以上という"超高齢者"になっている。人々がまだ文字を持たなかったはるか昔、古老は語り部としても重要な存在となっていたという。社会で果たしていた高齢者の役割が物語を展開する上でも生かされているのだろう

 ▼刻まれた人生の年輪は積み重ねた知恵でもある。そんな高齢者が大切にされていると感じることが多いほど長生きして良かったと思える社会だろう。その知恵も生かされたとしたら、どんな世代にとっても暮らしやすい社会なのではないか

 ▼だが、今の社会「なりすまし詐欺」による高齢者たちの被害が後を絶たない。首都圏では犯人グループがシルバー人材センターの職員をかたり、被害者から現金を受け取る「受け子」役に高齢者を悪用した。悪質化、巧妙化する手口に驚く

 ▼高齢者を守ろうと県シルバー人材センター連合会は被害防止に取り組む「なりすまし詐欺防止ふくしまネットワーク」に加入した。同時に高齢者たちの知恵によって悪質な詐欺の効果的な撃退法が生まれればとも思う。