【12月5日付編集日記】土の力

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 古里への帰還に向け住宅の除染とともに、農地の除染が続けられている。避難指示が出た双葉郡など12市町村では、9月末までに計画の45.4%を終えた

 ▼本年産米の放射性物質の全量全袋検査では10月末までの段階で99.99%が検出限界値未満だった。農業関係者らの懸命の取り組みの表れといっていい。ただ先は長い。土の再生への取り組みはこれからが正念場だ

 ▼今年のノーベル医学生理学賞を受賞する大村智北里大特別栄誉教授が開発した薬剤「イベルメクチン」は、ゴルフ場の土壌で見つけた細菌が作り出す物質から生み出された。土が秘める力には、あらためて驚かされる

 ▼今日は国連が定めた「世界土壌デー」。2013年の決議では、土壌は農業開発、生態系の基本的機能、食糧安全保障の基盤であることから、地球上の生命を維持する要であることに留意し―とうたう。心に刻みたい言葉だ

 ▼世界土壌デーと同時に宣言された「国際土壌年」の開始に当たって寄せた事務総長メッセージには、「土壌は簡単に再生できない天然資源。持続可能な土壌管理は、すべての人にとっての優先課題とすべき」とある。せめて今日一日だけでもいい。土のありがたみを考えてみたい。