【12月8日付編集日記】介護者への支援

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 ノンフィクション作家の沖藤典子さんは近著に、80歳の夫を在宅介護でみとるまでの日々をつづった。沖藤さんは、過去の夫婦間の確執が忘れられず、それでも夫を介護せざるを得ない自分自身との葛藤があったことを告白している

 ▼介護や医療についての作品を多く発表してきた沖藤さんだが、いざ自分が介護する側になると、その苦労は想像以上だったということなのだろう。最期まで笑顔で家族と接したいと思っていても、先の見えない介護は時に大きなストレスになる

 ▼県は先日、2014年度に県内で家族や親族による高齢者への虐待が250件あったと発表した。複数の虐待が重なったケースもあり、虐待の種別でみると身体的虐待は151件、叱責や暴言などの心理的虐待が109件、介護の放棄などが52件だった

 ▼県は、介護疲れが虐待という行為につながり、高齢者の命にかかわる事件にまで発展していく危険性に警鐘を鳴らしている。その上で、「関係機関が連携して踏み込んだ対応が必要だ」としている

 ▼介護の支援体制が充実しなければ、家族の抱える精神的な負担は解消できないのが現状なのだろう。介護を必要とする人を見守る家族たちへの支援が欠かせない。