【12月18日付編集日記】あかつき

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 日が落ちると冷気があたりを包む。通勤路には街路灯がまばらな場所もあり、そんな道には濃厚な闇が広がる。空気も凍えそうな季節だが、見上げれば夜空にまばたく星が美しい

 ▼5年前に起きた主エンジンの故障という致命的障害を乗り越え、再び金星に向かっている探査機「あかつき」はこの広い宇宙のどこかにいるのだろう。数々の故障で満身創痍(そうい)に陥りながら地球に帰還した「はやぶさ」に続く奇跡的な復活だ

 ▼その「はやぶさ」は、絶望的な状況に置かれながらも、帰還の可能性を必死に探った地上のメンバーたちの懸命の呼び掛けにこたえて7年間、約60億キロという長い旅を経て使命を果たしている。「はやぶさ」に続いて、人が機械に心を通わせる物語がまた、紡がれた

 ▼後継機となる「はやぶさ2」も太陽系の起源・進化と生命の原材料物質の解明という新たな使命を帯びて順調に航行している。「あかつき」による金星の解明も地球の誕生や気候変動解明の手掛かりになるという 

 ▼探査の成果は地球の未来を考えるヒントともなる。地上では多くの国が参加した新たな温暖化対策の枠組みとなるパリ協定が採択された。その"約束"も地球と人類の未来につながっている。