【12月20日付編集日記】スキー場

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 福島山岳会による「雪中嶽山の縦走」と題した同行記が1915(大正4)年12月25日から3回にわたって本紙に載っている

 ▼一行は福島から歩いて出発し、当日は二本松の岳温泉に宿泊。翌日は安達太良山麓の国有造林地を視察して福島に戻っている。2日間とも吹雪という悪天候。横殴りの雪と寒さの中、わらじ履きに"金剛杖(こんごうづえ)"で歩いた様子が報告されている

 ▼一行は、わらじ履きの足を凍えさせるような寒さの中で「鉛のような雪雲に閉ざされた安達太良山を仰ぎ見た」。その雄大な斜面に岳スキー場(現あだたら高原スキー場)が開設されたのは29(昭和4)年だ。厳寒の季節に人々でにぎわうことを想像できただろうか

 ▼豊富な雪と変化に富んだ山岳地形に恵まれている本県にとって、スキー場は本県観光の一翼を担う。だが今季は暖冬による影響で、雪不足に見舞われている。営業開始日の延期を余儀なくされた施設も少なくない

 ▼東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく5年。一時激減した利用客も増加傾向に転じてきた。関係者にとって本格復興への願いがこもる5シーズン目となる。「鉛のような雪雲」こそ、それをかなえてくれる天からの恵みとなる。