【12月26日付編集日記】俳人

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 医学者で二本松藩士の子弟、久保猪吉の妻より江(1884~1941)は、正岡子規や夏目漱石の薫陶を受けた俳人。野の草花やネコを詠み、感性豊かな作風で知られる

 ▼代表作の一つが「猫の子のもらはれて行く袂(たもと)かな」。より江は終生、ネコたちに愛情を注いだといわれる。この句にも、袂からのぞく子ネコの愛らしさと、もらわれていった先での幸せを祈る切ない思いがにじんでいる

 ▼年の瀬の会津若松市で、1年半前にもらわれてきた子ネコが成長し、2代目名誉駅長を襲名した。十数年間、会津鉄道・芦ノ牧温泉駅のPR役として活躍してきた雌ネコ「ばす」が、高齢のために駅長を引退。その跡を1歳8カ月の雄ネコ「らぶ」が引き継いだ

 ▼らぶは昨年夏、地元の住民から同駅がもらい受けたアメリカンカール種。最近は眠っていることが多くなった先代とは対照的に、人なつっこく、駅の周りをよく散歩しているという。駅へと送り出した元の飼い主もほっとしたことだろう

 ▼ちなみに「猫の子」は春の季語だそうだ。会津地方はこれから本格的な雪の季節を迎えるが、新旧2代のネコ駅長が、より多くの乗客とともに、一足早い春を県内各地に招き寄せてくれればと思う。