【12月27日付編集日記】島田教授

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 「地方分権」。鳴り物入りで行われた「平成の大合併」。今は「地方消滅」。大都市への人やモノの集中は止まらず、多くの町村では衰退が深刻化する

 ▼過疎といっても、その背景には地域特有のさまざまな問題があることを島田恵司・大東文化大准教授「だれが地域を救えるのか・作られた『地方消滅』」にあらためて教わった。全国約60の自治体を訪ねた報告だ

 ▼そこには原発事故の被災地である県内も含まれる。困難な状況下にあっても地域に腰を据え、未来を見つめながら歩みを進める人々の姿も伝えているが、その本県の人口が戦後最少の191万3606人となった

 ▼震災と原発事故後に初めて実施された国勢調査の速報値だ。減少幅は過去最大となり、2010年の前回調査に比べて11万人も減っている。県は、少子高齢化や若年層の流出に加え、原発事故に伴う県外避難者の増加が影響したとみている

 ▼地域を守るには、国などの支援は欠かせない。だが「人間同士の固い絆といった地域の『資源』」を生かすことも大事だと島田准教授はいう。「自分たちで考えたものはその過程を含めて、それ自体に価値が生まれる」とも。もう一度、自分たちの足元を見つめ直したい。