【1月10日付編集日記】前方

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 いつも乗る電車では運転席がある先頭車両から進行方向をガラス越しに楽しむことができる。この車窓の景色を見るために立ち続ける乗客も少なくない

 ▼年齢を問わない。子どもも、若者もいる。さらにその上の世代も。長い休みが取れる旅行シーズンなどには特に目立つ。空いている席はあるのに終着駅までの小一時間、じっと前を見詰め続けている人たちがいる

 ▼さまざまな実りに彩られる田園、遠くの山や川など季節が織りなす豊かな自然の中を駆け抜ける電車。確かにそこからの眺めは毎日乗っていても見飽きない魅力がある。子どもたちにとって、延びる線路は夢あふれる未来へとつながる道に重なっているかもしれない

 ▼東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で不通となっているJR常磐線浪江―小高間の復旧工事がようやく始まった。現場には、橋脚が大きくずれた橋りょう、曲がりくねったレールが今も5年前の生々しい姿のまま残されている

 ▼復旧は線路だけでなく、架線、電柱、駅舎など広範にわたる。JR東日本は、沿線の浪江町が目指す2017(平成29)年3月の帰町開始に合わせて進めるという。新たな線路は古里の未来に続く、希望の道ともなる。