【1月17日付編集日記】小正月

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 暖冬と言われてきたがいつもの冬のような冷え込みが続いている。そんな日、山は厳寒期ならではの美しさを見せる時がある

 ▼枝から葉をすっかり落としてしまった樹木は、空を突き刺すようにしてたたずむ。どこか寂しげだが氷点下という厳しい環境に置かれた時に身にまとう"花"もある。霧氷だ。木という木が一斉に白い花を咲かせたようなにぎやかさとなる

 ▼山で見た木々の間に赤くて目立つミズキもあった。子どもの頃に"団子の木"と言っていたことを思い出す。枝に団子を挿して小判や鯛(たい)などを飾った記憶がある。小正月行事に欠かせない木が、ミズキという名も持つことを知ったのは、だいぶ後になってからのこと

 ▼小正月は「望(もち)の正月」とも言われる。望月(満月)を月の初めとした名残だという。農民の生活に深く根差した農耕儀礼の色が濃く五穀豊穣(ほうじょう)をあらかじめ祝う「予祝」行事とされる。県内でも「もちの正月」と呼んでいる地域があるそうだ

 ▼大震災と原発事故から5年の今年。本格復興にも弾みをつけたい。団子などを挿した飾りは豊かな実りの印だろう。冬山で見た木々の霧氷の花も、古里の今年のさまざまな実りを約束する大自然の"前祝い"とも映る。