【1月24日付編集日記】フロイス

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 16世紀に来日したイエズス会の宣教師ルイス・フロイスは京都に入って寺社、邸宅を見物したことを「日本史」に書き留めた

 ▼大徳寺の「僧たちは家屋の優雅さ、清潔さ、庭園の技巧に秀でることに専心する。各地、遠国から幾多の貴人が見物に訪れるから」だと記す。金閣寺としても知られる鹿苑寺の庭園には「散策のため多くの人が訪れる」(「完訳フロイス日本史1」中公文庫)とある

 ▼この記述から、当時は寺社の庭園が一種の観光資源となっていたことがうかがえる、鹿苑寺の場合は、庭園が京都の民衆にとっては行楽地的な様相を呈していた、とも解釈できるという(小野健吉著「日本庭園の歴史と文化」吉川弘文館)

 ▼そのフロイスにとって、京都をはじめとした日本各地にも国籍がさまざまな多くの外国人が訪れることになることを予想できただろうか。2015年は訪日外国人旅行者の数、消費額とも過去最高を更新している

 ▼大震災と原発事故からの本格復興を目指す本県にとっては観光再生への追い風だ。国内が対象だったとはいえ、400年以上前にも見物客の受け入れのために"専心"していた人たちがいた。その心にさらに磨きをかけ本県への誘客も進めたい。