【1月26日付編集日記】社会のゆがみ

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 「激安」「底値」「破格」...。購買意欲を刺激する言葉がパンフレットやチラシに躍る。同じ中身であれば、「少しでも安くて良いものを」というのはふつうの消費者心理だろう

 ▼そんな庶民の思いが踏みにじられた。大学生ら15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故と、愛知県の産廃業者による廃棄食品の横流しだ。その双方がいまの社会の現実を映し出している

 ▼ツアーバス事故から10日余り。その後も一歩間違えれば大惨事になりかねないトラブルや事故が各地で起きている。その背景には訪日外国人の増加に伴う運転手不足や、低価格を実現するための過酷な労働条件がみえてくる

 ▼廃棄食品の横流しも背景は複雑だ。発端となった冷凍カツのように異物混入の疑いがある食品の転売は論外だが、岐阜県の業者の施設から次々に見つかった「賞味期限」に関わる大量の廃棄食品からは、「食品ロス大国ニッポン」の病巣が透けてみえる

 ▼これらの「社会のゆがみ」を正していくために、警察は原因や実態の解明へ徹底的な捜査を尽くし、行政や関係業界は再発防止へ速やかに動く必要がある。命を守り、健康を保つための安全安心には「激安」も「破格」もない。