【1月27日付編集日記】逓送

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 「吹雪のときは十分もすると道形はなくなり、一面雪原となり、川が何処(どこ)にあり...何処までが沢であり、何処までが橋であるのか全然分からなくなる」

 ▼明治から昭和にかけ、南会津郡の東部と西部を結ぶ駒止峠で行われていた人手による輸送「郵便逓送(ていそう)」の冬季の様子が田島町史にある。荷の大半は生活必需品で西部地域の冬期間の生活は全て逓送にかかっていた

 ▼ベテランがカンジキを履き、荷物を背負わずに地形をみながら長年の勘と経験で一歩一歩、道を付け、その後に荷を背負った逓送隊がつき、最後に一般の通行人が従った。だが、この過酷な駒止峠越えでは吹雪や雪崩で犠牲者を出している

 ▼1956(昭和31)年には猛吹雪で峠から引き返す途中の雪上車も橋から転落して住民が亡くなった。雪上車の運行開始後、初の事故だった。その後は峠にトンネルも開通して交通の便は格段に向上したが、真冬の厳しさは今も変わらない

 ▼「麓で一寸の雪が降ると峠頂上は間違いなく一尺の積雪である。そして峠にかかると、雪は天から降るものではなく地から吹き上げてくる」と町史。寒波で会津を中心に大雪となった。自然は非情な顔も持つ。気を引き締めて、厳冬に備えたい。