【2月5日付編集日記】感染症

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 それまで森に暮らしていた人類の祖先は、やがて多くの野生動物がすむ草原に進出した。そのため動物が残した糞(ふん)などに接触する機会が増大したという

 ▼こうして野生動物由来の寄生虫に感染する可能性が高まった。人類はその後、狩猟という移動社会から農耕による定住社会に移ったが、人口増加に伴って居住地近くに集積する糞便への接触機会も増え、社会に感染症が根付くことになった

 ▼さらに、野生動物の家畜化で動物に起源を持つウイルス感染症を人間の社会に持ち込むことになり、病原体は新たな宿主を得て多様性を増加させた(山本太郎著「感染症と文明」岩波新書)。人類の歴史はウイルスとの闘いの歴史でもある

 ▼エボラ出血熱、デング熱に続いて中南米を中心にジカ熱が広がる。ジカ熱そのものは重い病気ではないが海外で感染した日本人旅行者が国内で発症した例がある。媒介する蚊のうち、ヒトスジシマカは国内にもいるという。警戒は怠れない

 ▼生きとし生けるものすべてに必ず複数のウイルスがいるそうだ。人間に感染していても何の病気を起こさないものもいるというから共生もできる。監視を怠らず、封じ込めへの努力を続けて"悪玉"の勢いをそぎたい。