【3月1日付編集日記】人口減少社会

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 武将の話し相手をする「御伽衆(おとぎしゅう)」として豊臣秀吉に仕えた曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)は、落語家の始祖といわれる

 ▼ある時、面白い頓知に感心した秀吉が褒美をやろうということになった。新左衛門は「1日目は米1粒、2日目は2粒、3日目は4粒と、日ごとに倍の量の米を81日間お与えください」と答えた。秀吉は承諾したが、この方法で81日間米を与えると膨大な量になることが後で分かった。いわゆる「ねずみ算」の話だ

 ▼ねずみ算ほど急激ではないが、世界全体をみれば人口は増加しているのだという。国連は現在の73億人から、2100年には112億人に達すると予測する。増加が著しいのはインドやアフリカなど新興国が中心だ

 ▼一方で日本は人口減少が進んでいる。昨年の国勢調査(速報値)では1920年の調査開始以来、初めて総人口が減少に転じた。県内人口も5年前の前回調査より5・7%減り、過去最大の減少幅となった

 ▼人口学者の河野稠果(しげみ)さんは著書で、新左衛門の逸話とともに、人口の減少を逆手に取った日本社会の構造改革の必要性を提案する。ねずみ算とはいかなくても、日本や本県の人口を増やす手だてはないものか。新左衛門に一度、聞いてみたいものだ。